タイの子どもたちの夏休み
バーンロムサイの子どもたちは、近所の友だちと一緒に家から出て遊びまわるというごくごく当たり前のことが出来ない。タイの国の孤児たちは15歳になるまで大人の付き添いなくホームの外に出ることが法律で禁じられているからだ。散歩に行くにも大人が付き添い、大人が忙しいと外に出たくても出られない。ホームの中は広々としているし、たくさんの木があって遊ぶことには事欠かないが、それでもホームの門から一歩外に出る事は彼らにとって何よりも嬉しいことなのだと思う。長い夏休みの間、出来るだけホームの外の世界を見てもらいたいと思っているが、うまく買い物の手伝いの権利を獲得し、保母さんと一緒にスーパーに行ける子どもと、そういうチャンスに全く恵まれない子どもとはっきり分かれる。
私の知る限り、一般のタイの子どもたちの夏休みの過ごし方は、決められた家の手伝いが終わると近所の友だちと出かけて、夕食まで外で遊んでいるという子が多い。村の商店に座って見ていると、広場で遊んでいる子どもたちは、夕方にお母さんがやってきて「もうすぐご飯だから早くシャワーを浴びなさい!」と言われ名残惜しそうに家に帰る。自分のはるか昔の子ども時代を思い出す。ちなみにとても暑い日中は、写真のタンやポンのように日陰で昼寝している子どもたちも、夏休み中良くみかける。何故かその横にはオトウサンも一緒に昼寝していることが多いが。
昨日も空港のCARGOへ行ったとき、関税係の女性の息子(小学校5年生くらい)がコピーを取ったり、書類に穴をあけたりとかいがいしく働き、お母さんのアシスタントとして活躍していた。一方市場や商店では、仕事をしているお母さんの手伝いをしている子どもたちもたくさん居る。親の仕事を手伝う子どもたちは、それこそ外で友だちと遊ぶこともなかなか出来ないだろうけれど、もうすぐやってくるタイのお正月「ソンクラーン」では、家族みんなでお寺に行き、水掛祭りを楽しんだり、近くへ旅行に行ったりする。それを楽しみに毎日親の仕事を手伝っているのだろう。
今年の夏休み、バーンロムサイの子どもたちはタイ中西部へスタディツアーと称して皆で出かける。普段見ることのない景勝地や水上マーケットやアユタヤの遺跡見物など予定も盛りだくさんだ。普段あたりまえのように家の外で遊ぶことが出来ない分、村の子どもたちの中では贅沢な部類に入る旅行へ行くことになる。何がどちらが幸せかは何も基準はないし、普通の家庭とは違うことも多いけれど、一つ一つの経験が彼らにとって大切な積み重ねになり、いつの日か「バーンロムサイで育ってよかった!」と思ってくれると嬉しい。
記 麻生
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